『フラグタイム』を語ってみる—単なる百合と思うなかれ—
日曜日の夕方、マックでブログ書いてます。
土曜日の夜、ベッドでブログ書いてます。一週間もかかってしまった。。。
どうもリンスです。
風邪もほぼほぼ治り、以前のように週1のペースでブログを書いていこうと思います。
継続って多分大事だよね。
ということで、行ってきました映画館。
観てきましたよ『フラグタイム』
【フラグタイム】劇場公開OVA 本予告【Fragtime OVA Main Trailer】
本作を一文でまとめると
【単なる百合を超越した、思春期の揺れるアイデンティティーの物語 】
です。
ポイントは以下の3つ
1.須藤智子さんの素晴らしいキャラデザ
リンスが『フラグタイム』を観に行った一番のきっかけ、それが【須藤智子さんのキャラクターデザイン】です。このデザインを一目見たときから映画館に足を運ぶことを決心しておりました。えぇ、そうですよ。一目惚れですよ。
特徴は、1.頭身高め、2.細い線のアウトライン、3.大きすぎない目です。この3つの特徴によって、アニメ絵の中ではかなり写実的になっています。ゴテゴテしていない、アニメアニメしていない、繊細なタッチはリンスの大好物です。
このキャラデザのメリットは、アニメアニメしていないことによって、視聴ターゲットを拡張できることです。やはり、頭身低めでお目々大き目なデフォルメされたキャラデザだと、オタク以外には敬遠されてしまいます。
代表例として『けいおん!』を引用いたしましたが、リンスは堀口悠紀子さんのキャラデザも好きですよ。『たまこまーけっと』とか大好き。ただ、視聴ターゲットは自ずと絞られますよね。親世代にすれば、おそらく『フラグタイム』のキャラデザの方が視聴ハードルが低いでしょう。
『フラグタイム』のキャラデザって、『エヴァンゲリオン』の貞本義行さん、そこを系譜とした『バケモノの子』『未来のミライ』の細田守さんの方向性ですよね。
貞本系をベースに、目元を少し華やかにしたのが須藤智子さんのキャラデザでしょう。今現在、最も広い層に訴求できるキャラデザは『あの日見た花の名前を僕はまだ知らない』『君の名は。』の田中将賀さんですが、彼に続ける可能性をリンスは感じます。
2.SFかつ百合
そもそも『フラグタイム』とは…
このように、3分間だけ時間停止ができる女の子と、その能力が効かない女の子とのラブストーリーです。つまり、要素はSFと百合の2つ。どちらもフィクションとして魅力的な題材ですよね。
せっかく時間を停止してスカートの中を覗いたのに、相手には時間停止が効いていなかった=覗いたのがバレバレだったというわけです。時間停止が効かない=主人公の世界において圧倒的に特別な存在。まして、相手はクラスいちの美少女です。もうラブコメのエンジンは全開であります。
3.単なる百合に止まらない、思春期の自分探し
ここまでだと、割とありがちな作品です。しかし『フラグタイム』においてSF+百合は、設定であっても主題ではありません。では本作の主題とは何か?
それは思春期の女の子の自分探しです
主人公・美鈴は人付き合いが苦手であり、困ったことがあるとすぐに時間を停止させて逃げてしまいます。そして、時間停止が唯一効かない美少女・遥。彼女はコミュニケーション能力が高くてみんなに好かれる存在であり、美鈴は遥に憧れを抱きます。
しかし、遥が常に相手から好かれる様に振る舞うのは、自分自身が何者なのか・何がやりたいのかが分からない=自分のアイデンティティーが無いことの裏返しでした。そんな遥が初めて抱いた欲望、それが美鈴を好きだという感情だったのです。人を好きになるという感情をきっかけに、自分とは何者かを見つける。まさしく思春期にしか成立しない自分探しの物語です。
そして最後に、美鈴の時間停止能力が消えてしまいます。しかし、遥との恋を機に人と関わることの大切さを知った美鈴は、クラスの輪の中に入るようになっていくのでした。
このように『フラグタイム』は思春期の女の子が恋をきっかけに成長するという、至極まっとうな青春物語なのです。 百合だしOVAの劇場上映だし時間停止といっても描写は地味だし、多くの人に観られるきっかけが中々作りづらいです作品です。しかし、思春期の綺麗な自分探しを1時間にまとめた良作なので、せめてこのブログを読んでくれたあなたには観てもらいたいのです。
本日のまとめ
【思春期の1ページ、それは百合のベールに包まれている。】